導引は中国文化遺産の中でも、最高の輝きを持つダイヤモンドのような存在と中国の気功家が述べています。
その歴史は古く、現在わかっているものでは4,000年以上前の新石器時代に、「亀の呼吸」を真似している人の絵が壺に描かれたものが発見されています。
古代の人達は、自然や舞踊の動きにより健康を維持していました。そして、今日までその輝きは変わることなく、大切に受け継がれてきました。
導引は、技の合理性とあまりにも簡単で効果があるので、古来より秘伝とされてきました。
それゆえに、導引の実践者の残した文献は数多く、医学書・養生書・神仙術・房中術・占い・宗教・武術に至るまで多数残っています。
● 馬王堆古墳から発掘
筋肉のついたミイラが発掘されたことで有名な、2,300年前の湖南省長沙の馬王堆古墳三号墓には、『医書五十二病方・導引図』が発見されてます。
(古墳に収められるほど貴重なものであった)
● 中国の古典「老子」の名前がついている『老子法導引36勢』※1
中国では老子は太上老君と呼ばれ、伝説上の神とも人物とも呼ばれています。孔子が周にきて、礼について老子に質問したとの説もあります。
(※1『老子法導引36勢』:健康に必要な各種の動作が含まれている。
誰もができる間口の広さ、かつ、続ければ健康がレベルアップする奥行きの深さのある導引。これさえあれば大丈夫という生涯健康法。)
● 中国医学の聖典・権威ある最古の医学経典『黄帝内経』
当時、治療法として地方の風土的特色から次の5つの健康法が発生しました。
ヘン石(石針)・漢方薬・鍼・灸・導引
黄帝が御典医岐伯に、健康を守るにはこの中で何を第一とすべきか?と尋ねると、岐伯は養生法として「導引を第一とすべし」と答えました。
● 世界で初めて麻酔手術をした華陀(かだ)の『五禽の戯(ごきんのぎ)』
世界で初めて麻酔手術をしたことで有名な華陀が『五禽の戯』という導引・行気を残しています。
彼は、虎・熊・鹿・猿・鳥の動きをまねし・工夫して、導引「五禽の戯」を作り・実践し、90歳過ぎまで医療活動に従事していました。
● 日本最古の本格的な医学書『医心方』
日本でも984年に医師 丹波康頼により、日本最古の本格的な医学書である医心方30巻が完成しました。
その第27巻に養生法として導引が詳しく書かれています。
● 明の時代の三才図会に『八段錦法導引図』
1,600年代、明の時代に発行された三才図会80巻の中に、『八段錦法導引図』並びに『立春から大寒までの陳希夷(ちんきい)二十四節気坐法』が掲載。
陳希夷先生は宋の時代の人で、導引の実践者として、また占い大家として、大変著名で後世に多大な影響を与えた人です。
他にも導引は、医学書の「千金方」「諸病原候論」、神仙書の「抱朴子」、太極拳など、武道や気功法などの源となっています。
また、前漢時代に書かれた「導引図」は気功の原典といわれています。
日本でも医学書の「医心方」「導引体要」や貝原益軒の「養生訓」ほか多数の文献が残っています。さらに
按摩、整体、密教、座禅、茶道、日本舞踊、
武道などは導引の技を “秘伝=奥伝” として取り入れています。
導引は道家(宇宙真理=道を探求する行者)の基本行法。
道を極めようとする者は、導引をマスターすることで、より早く、正確に、奥伝=「道」に到達できます。
この多方面への膨大な影響力は、導引が
人間性(精神力、肉体、能力)を向上できる
自立型人間力向上法
である証でもあるのです。
導引は生涯において行える、治療・養生法で、関節、動作、摩擦、呼吸などで体を整えて、健康で長生きするための、
長い歴史の中で受け継がれてきた、体系化された健康法です。